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感染症情報

<新型(豚)インフルエンザについて> 

平成21年8月26日現在

 

<過去の豚インフルエンザの感染>

豚のインフルエンザが、人から人への集団発生に至ったことは、今までに例がありません。過去には1976年、1988年に米国でA型(H1N1)豚インフルエンザウイルスによる小規模な流行があり死者も出ましたが、流行は約1ヶ月で沈静化しています。

 

<2009年の流行>

4月下旬にメキシコで発生したとされる「豚インフルエンザ」は、アメリカ、カナダをはじめヨーロッパ、アジアにも飛び火し、WHOは警戒段階を4月27日にフェーズ「3」から「4」に、4月29日にはフェーズ「5」に引き上げました。その後、南半球諸国にもこのインフルエンザ流行が拡大したことから、WHOは6月11日にフェーズを「6」に引き上げました。

註)フェーズ「6」:新しい亜型のインフルエンザが、効率よく持続した形で人から人への感染を確立した段階をいいます。フェーズとはウイルスの広がりについての用語であり、毒性の強弱とは関係がありません。

 

<ウイルスの特徴>

WHOでは4月30日、豚由来のインフルエンザウイルスが人から人へ感染していることから、「豚インフルエンザ」という呼び方を改め、「インフルエンザA(H1N1)」と呼称することを発表しました。今回のウイルスの毒性については、遺伝子解析で比較的軽症の「弱毒性」と認識されていますが、多くの人が免疫を持っていないため、人への感染が拡大しやすいと考えられています。米疾病対策センター(CDC)の分析で、このウイルスは、鳥、豚、人のウイルスが交雑した「新型」であることが判明しています。この「新型」は季節性インフルエンザAソ連型と同じA型H1N1ですが、抗原性が異なるため、Aソ連型ウイルス用ワクチンが「新型」にも効く可能性は否定されています。

註)人の季節性A型インフルエンザは、ソ連型(H1N1)と香港型(H3N2)の2種類のみです。

 

<今後の流行は?>

北半球での流行は、夏季にも拘わらず衰えを見せず、秋から冬にかけ大流行する可能性が大きくなってきています。今までのところ、季節性インフルエンザの3倍程度の感染者数が予想されていますが、今回の新型インフルエンザウイルスが毒性の強いものに変異する傾向は見られていません。

 

<ワクチンは?>

従来の季節性インフルエンザのワクチンとは別に、世界中のワクチンメーカーによって新型インフルエンザワクチンの開発が進められています。新型インフルエンザワクチンについては、ワクチン接種の優先順位、安全性等、クリアーすべき多くの問題を抱えています。これから迎える冬季の対策として、「季節性インフルエンザワクチンの接種」をお勧めします。

註)季節性のインフルエンザは、日本国内だけで年間1500万人近くが感染し、多い年には1万5,000人の死者があり、季節性インフルエンザの予防策は重要です

 

<治療薬と予防法>

今回の新型インフルエンザは、季節性インフルエンザと同様にタミフル、リレンザといった治療薬が有効であることが分かっています。タミフル等の治療薬は、日本でもフランスでも医師の処方箋なしでは入手はできませんので、タミフル等を個人用の備蓄として薬局で購入することはできません。フランス政府は、十分な量の治療用タミフルを備蓄しており、大流行時には、フランス人と同様に外国人患者にもタミフルが治療薬として処方されますが、現時点では、フランス国内の患者の多くが軽症であることなどから、タミフル等の投与は症状に応じて医師が判断することとしています。

インフルエンザの一般的な予防法として、最も重要なのは外出後の手洗いやうがいですが、出来るだけ人ごみを避けることも大切です。フランスの薬局では、各種のインフルエンザ用マスクが購入できます。こうした予防の徹底で感染の拡大のピークを下げ、遅らせることが何よりも重要です。その上で、インフルエンザの感染が疑われる場合には、自分の判断で専門の病院を受診するのでなく、まず一般医に連絡し、その医師の指示に従って下さい。重症化する前の早めの受診が肝要です。