フランスにおける外出制限及びEU圏への入域制限(3月16日の発表)

2020/3/16
3月16日,マクロン大統領はテレビ演説で,外出制限を強く求め,規則に違反した場合は罰金を受けること,EU共通の決定により17日から,EU及びシェンゲン圏への入境を閉鎖し,EU域外の国とEU圏内の国の間の渡航を30日間停止するなどの発表を行いました。(日本人は滞在許可証を所持しているなどの例外を除きフランスへの入国はできません。)
また,その後,カスタネール内務大臣が各措置の詳細を発表しました。特に厳格な移動制限措置については注意が必要です。
  (参考)「フランスにおける外出制限について
 

1.3月16日のマクロン大統領テレビ演説の概要は以下のとおりです。

(1) 3月17日正午から,少なくとも15日間,仏国内(本土及び海外領土)において,外出を大きく制限。野外における集会,友人や親族との会合は禁止。1メートルの距離を守り接触を避けた形での買い物,通院,テレワークが困難な場合の通勤,若干の運動といった必要な外出のみを許容。規則に反した者は罰則を受ける。
(2) EU共通の決定により,3月17日正午から,EU及びシェンゲン圏への入境を閉鎖。EU域外の国とEU域内の国の間の移動を30日間停止。現在EU圏外にいるフランス人の帰国は可能。
(3) 市町村議会選第2回投票の延期を決定。
(4) コロナウイルス対策に集中するため,年金改革を含む現在進行中の改革を一時中断する。3月18日の閣議で,政府が緊急事態に対処し,必要な場合には,危機管理の分野に厳格に限った上で,政令により法律を制定するための法案を提案,19日に議会で審議。
(5) 最も被害を受けている地域への支援を実施。患者の集中や病院の飽和に面しているグラン・テスト圏を支援。近日中にアルザス地方に,軍の医療施設を展開することを決定。
(6) 経済面に関しては,税金及び社会保険料支払いの延期,銀行の貸し付けの返済期限の繰り延べ,国による3000億ユーロを上限とした保証に言及。危機に瀕する小企業に関しては,税金,社会保険料,水道・電気・ガス代金,賃料支払いも延期。また,部分的失業の拡大,起業家,手工業者,商人のための,国による連帯基金の設立にも言及。
 

2.カスタネール内務大臣が発表した各措置の詳細は以下のとおりです。

(1)移動の最小限の措置

3月17日(火)12時から15日間(延長可能性あり),厳格な移動制限措置がとられる。基本的には自宅待機であり,イタリアやスペインに倣った封じ込め措置が採られる。
以下の事項については例外と見なされ,事前に証明書を取得しておくことで移動が許可される。
・テレワークが不可能な場合の,自宅から職場への移動(併せて職場を証明する書類が必要)
・許可された近場の商店での必需品の買い物
・医療関係業務のための移動
・子供の保育又は脆弱な人の支援のための移動
・運動(個人で行い,自宅の周囲で,人の集まりを伴わないものに限る)
ウ  10万人の警察と国家憲兵隊が動員され,フランス全土に検問(拠点式,移動式)が設置される。歩行者も含め,移動に際しては,逐一,移動の理由を記載した自筆の証明書(document attestant sur l'honneur le motif de son deplacement)の携帯が義務となる。今晩中に政府のサイトでダウンロードが可能になる証明書のフォーマットには,移動の性質,行き先,理由を記載する。併せて,職場を証明する文書(carte professionnel, certificate de leur employeur)の提示が求められる。
エ  違反した場合の罰金は現状では38ユーロであるが,近く最大135ユーロにまで上げる予定。
 

(2)国境関連

EU圏への入域
シェンゲン協定加盟国,EU加盟国と英国の市民のみが入域できることとなる。EU非加盟国民の入域は,滞在許可証を保持している場合や,第三国の保健関係者などのいくつかの例外を除き,認められない。
他方,商品の入域と出域は継続される。
EUに入域する絶対的な理由のない第三国の国民の入域は,入域禁止の対象となる。
EU内部における国境
国境の「完全な閉鎖(fermeture totale)」は行われないが,移動は必要最小限に制限される。
越境労働者は,居住証明書や雇用証明書の提示によって,日常的に越境することが可能。
商品の移動の制限は論外である。医療物品や食料等は影響を受けない。
これらの措置は,均衡がとれたものになり,隣国と適切に調整され,欧州委員会に通知される。