新型コロナウイルスについて,大使館医務官より

2020/4/21

感染の予防

 新型コロナウイルスは無症候患者も少なくない厄介な病気ですが、感染者の8割以上は重症化しないとも言われていますので、むやみに恐れずに対応を考えていきましょう(ただし、60歳以上の年齢層では、高齢になるほど死亡率が高くなりますので、以下のような注意を守り、感染しない・感染させない配慮が大切です)。感染経路としては、1)飛沫感染(咳、くしゃみなどで飛び出すしぶきが粘膜(目の結膜、鼻、口など)に付着する場合、しぶきの到達距離は概ね2m以内)、2)接触感染(しぶきが付着した手やドアノブを触り、その手で自分の目、鼻、口を触ることでウイルスを運んでしまう、あるいは、皮膚・粘膜の直接接触)、3)エアゾル感染(会話などで発生するしぶきの細かいミストは少しの間空気中に漂いますが、それを吸い込む場合)などが考えられています。ここから予防策が導き出されます。
 飛沫やエアゾルを避けるためには、人と距離をとること(フランスでは1m以上を推奨)。接触感染を避けるためには、手を洗うこと(流水・石鹸で20秒以上かけて。手洗い場がなければアルコール・ジェルの使用)、ウイルスはドアノブやプラスチックのようなツルツル面(iPadの表面という事例もあります)で生き残りやすい(2~5日)ので、そうしたところを定期的に清拭すること(アルコール、次亜塩素酸、手に入らなければ中性洗剤でも意味はあります)。また飛沫・ミストを避けるには、3密(密閉、密集、密接)に注意。距離をとるほかに部屋の換気も行いましょう。
 マスクについては、ウイルス粒子の通過はブロックできませんが、外からの飛沫を物理的にブロックしたり、自分が口や鼻を触る機会を減らしたり、万一自分が無症候患者だった場合に、飛沫やミストをまき散らさない(家族や同僚を守る)効果は期待できます。こうした目的なら布マスクもいいでしょう。
 万一、風邪症状が出たときは、医師の指示が第一ですが、呼吸困難などのない軽症でしたら、家庭では解熱剤としてはパラセタモル(アセトアミノフェン)が使いやすく、日本から持ち込んだ置き薬で葛根湯などがあるのでしたら、その温服も良いでしょう。(間宮規章)

心の対策

 今回の感染症のアウトブレイクに関しては、人と人は距離をとらなければならず、少なくとも物理的な面で社会的に孤立を深めざるをえなくなっています。また、外に出られなくなると、必然的にテレビやインターネットに触れる時間が長くなり、受け身で一方的な情報にさらされがちになります。これらの対策として以下の点を頭に置いといて頂ければ幸いです。
「コロナ関連の情報から離れる時間を意識的にとる」
 我々は時々意識してコロナ関連の情報を見たり、聞いたりするのを止める必要があります。念入りに掃除する、丁寧に料理する、入浴する、など別のことをする時間を意識的に確保してください。5分でもゆっくりと(何も考えずに)歩くのも効果があります。じっくりと自分の行動に集中することが大切で、それにより頭の中をリフレッシュすることができます。
「他の人との接点を意識してとる」
 普段より心のハードルを下げて、お互いあまり気を遣いすぎずに、メールや電話、その他の手段で連絡をとりあうことをお勧めします。楽しめていることや困っていること、ユーモアや何でもない日常の出来事を共有しましょう。もちろん、その時は少し優しめの言葉を添えてお願いします。
 
 また、外出制限が長くなっていることや、先行きがみえないことによって、不安や疲れが溜まってきている方も多いと思います。Confinement(隔離、閉じ込め)下での生活へのアドバイスとしては下記のようになります。
「規則正しい生活を心がける」
 睡眠時間や食事のバランスなども含めて、できるだけ規則正しい生活、そして運動の時間を心がけてください。アルコールやコーヒーを摂る量には注意が必要です。
「新しいことを始めてみる」
 新しい趣味や気になっていたことに手をつけてみて下さい。閉じこもっているので新しいことはできない、それどころではない、という気持ちも分かります。ただ、散らかっていた部屋を片付ける、置いたままであった本を読む、など、今まで時間がなくてできていなかったことはあると思います、達成感が後々プラスの気持ちに働きますので、是非今動き出してみて下さい。
「でも、できない時もある」
 上の二つは、「できる時に」となります。誰でも、気分が乗らない時、うんざりしている時はあります。自分で決めていても守れないことなんて山ほどあります。そのような時は少し休憩して(そんな自分を許してあげて)、ついでに目標を小分けにしたうえで、翌日以降に改めて挑戦してみて下さい。
今回のconfinementは、自分だけではなく、他の多く人の間での感染拡大も防ぐ行為に繋がっていること、つまり、制限を守っていること自体が、世のため人のためにとなっていることを誇りに思いながら、皆で乗り切っていきましょう。(西田圭一郎)