【領事メール】犠牲祭に伴う注意喚起

令和3年7月10日
 

7月20日(火)から7月23日(金)頃(国・地域によって前後する可能性があります。)までは、イスラム教の犠牲祭(イード・アルアドハー。一部の地域ではクルバンやタバスキとも言われます。)の期間に当たります。
犠牲祭は、イスラム教徒によるサウジアラビアの聖地メッカへの大巡礼が終わりを迎えるイスラム暦12月10日から3-4日間行われ、この間、イスラム圏の国々では休日となります。また、欧米諸国等の非イスラム圏においても、イスラム教徒が多数居住する地区等では、犠牲祭にかかわる宗教行事が行われることがあります。 
犠牲祭に際して、イスラム教徒は、神(アッラー)への捧げ物として、羊、牛、山羊などを屠り、貧しい人々と分け合うことが習慣となっています。
 
一般に、大規模行事はテロ等の標的になりやすいとされています。現在のところ、犠牲祭に際してテロの実行を呼びかける声明などは確認されていませんが、以下の安全対策をとるよう心掛けてください。
 
 
1. 外務省海外安全ホームページに掲載されているテロ・誘拐情勢のほか、危険情報、「たびレジ」、各種報道等を通じて最新の関連情報の入手に努める。
2. 人目につく場所での飲酒や喫煙を慎むなど、現地の風俗・習慣を尊重して行動するよう、普段以上に心掛けてください。
3. 以下の場所がテロの標的となりやすいことを十分認識し、できるだけ近寄らないようにする。
観光施設やその周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、スーパーマーケット、ナイトクラブ、映画館、公共交通機関等人が多く集まる施設、教会、モスク、シナゴーグ等の宗教関係施設(集団礼拝などの多数の人が集まるタイミングに特に注意する)、政府関連施設(特に軍、警察、治安関係施設)等
4. やむなく上記の場所を訪れる場合は、あらかじめ非常口等の避難経路を確認しておく、周囲の状況に注意を払う、不審な人物や状況を察知したら速やかにその場を離れる、できるだけ滞在期間を短くするなどの対策に加え、その場の状況に応じた安全確保に十分注意を払う。
5. 有事の際には、現地当局の指示があればそれに従う。テロに遭遇してしまった場合には、警察官等の指示をよく聞き、冷静に行動するよう努める。
 
 
テロの類型別の留意事項は以下のとおりです。
【車両突入型テロ】
●ガードレールや街灯などの遮へい物がない歩道などでは危険が増すことを認識する。
●歩道を歩く際はできるだけ道路側から離れて歩く。

【爆弾、銃器を用いたテロ】
●爆発や銃撃の音を聞いたら、その場に伏せるなど直ちに低い姿勢をとり、頑丈なものの陰に隠れる。
●周囲を確認し、可能であれば、銃撃音等から離れるよう、低い姿勢を保ちつつ速やかに安全なところに退避する。閉鎖空間の場合、出入口に殺到すると将棋倒しなどの二次的な被害に遭うこともあるため、注意が必要。
●爆発は複数回発生する可能性があるため、爆発後に様子を見に行かない。

【刃物を用いたテロ】
●犯人との距離を取る。周囲にある物を使って攻撃から身を守る。

【イベント会場、空港等の屋内でのテロ】
●不測の事態の発生を念頭に、出入口や非常口、避難の際の経路等についてあらかじめ入念に確認する。
●会場への出入りに際しては、混雑のピークを外し、人混みを避ける。
●セキュリティが確保されていない会場の外側や出入口付近は危険であり、こうした場所での人混みや行列は避けるようにする。空港等では、人の立入りが容易な受付カウンター付近に不必要に近寄ったり長居したりすることはせず、セキュリティ・ゲートを速やかに通過する。
●二次被害を防ぐため、周囲がパニック状態になっても冷静に行動するよう努める。
 
 
海外渡航の際には、万一に備え、家族、友人、職場等に、日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
◆ 3か月以上滞在される方は、現地在外公館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず在留届を提出してください。
◆ 3か月未満の旅行や出張などの際には、渡航先の最新の安全情報や、緊急時に現地在外公館の連絡を受け取ることができるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。
 
テロ・誘拐対策に関しては、以下も併せて参照してください。

・パンフレット「海外へ進出する日本人・企業のための爆弾テロ対策Q&A
・パンフレット「海外旅行のテロ・誘拐対策
ゴルゴ13の中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル