【領事メール】カステックス首相及びヴェラン連帯・保健大臣の記者会見(概要)
令和3年12月7日
在留邦人の皆様
12月6日、フランスにおける新型コロナウイルス感染症に関し、カステックス首相及びヴェラン連帯・保健大臣及が国民に向けてテレビで記者会見を行いましたので、概要をお知らせします。
1 感染状況
・仏全土のあらゆる国民に感染が拡大している。1日の感染者数が約5万人となり、10万人中400人以上が感染するなど、第三波のピーク時よりも感染者数が多くなっている。特に、ワクチン接種率が低い場所での感染率が高い。
・病院は、新型コロナが始まった約2年前よりも設備が強化されているものの、圧迫されている。現在の重篤者数は2200人であり、10分に1人が重症化している。また、現在の入院患者数は1万2000人以上であり、1分に1人入院している。
・しかし、感染者数は多いものの、1年前と異なるのは、既に5200万人がワクチンを接種していることであり、これがなければ、第一波のように病院が逼迫し、他の欧州諸国のように外出禁止令を出さなければならなかっただろう。そのため、恐怖に陥ることなく、警戒心と明晰さが必要である。
・パスツール研究所によれば、今よりも感染率を10%低下させることができれば、病院の逼迫は避けることができる。
2 オミクロン株
・現在、仏国内では25人の感染が判明しており、そのうち21人は、特に南部アフリカ諸国から戻った者であり、残りの4人は市中感染した者である。感染拡大を防ぐべく、感染ルートの追跡を続けている。
・オミクロン株は、デルタ株よりも感染力が強い、あるいははるかに強いとされている。南アフリカや英国では3~5日で感染が2倍になったと言われている。
・しかし、デルタ株よりも危険であるというデータはない。
・また、既存のワクチンが効果を発揮するかは判明していないが、現在のワクチン戦略を変えることはない。
・欧州疾病予防管理センターによれば、今後数か月で欧州における感染者の大部分がオミクロン株の感染者になると言われている。
3 ブースター接種
・ワクチンはリスクを低下させ、重症化から人を守るものの、時間と共にその効果は低下していくため、感染や拡大を防ぐことができない。特に高齢者等のリスクある者にとっては、接種後5~6か月で重症化のリスクが高まるため、ブースター接種が重要である。既に1000万人がブースターを接種している。
・2週間で追加的に200のワクチンセンターを新たに開設したため、現在は1300のセンターが存在し、既存のセンターでも接種場所を増加させたため、1月上旬までに追加で1500万人以上がブースターを接種することになる。
・65歳以上の者は、いかなるセンターにおいても予約なしで接種できることになる。また、列に並ばないためのコールセンターも設置する。
4 一回目のワクチン接種
・接種対象の国民の90%近くがワクチンを接種しているものの、いまだに一回目のワクチンを接種していない者たちがおり、重篤者の多くがワクチン未接種者である。
・一回目のワクチンを接種する者も、あらゆるセンターで予約なしで接種できる。
5 学校
・ワクチン未接種であり、頻繁に検査を受けているため当然であるが、12歳未満の子供の感染が増加している。
・そのため、初等教育の衛生プロトコールをレベル3に引き上げる。
・初等教育では、今週木曜日(9日)以降休暇までの間はレクリエーションでもマスクの着用を義務化し、接触型のスポーツの実施は制限される。来週月曜日(13日)以降は、食事をとる環境も整備される。
・学級で1名陽性者が出れば残りの生徒のシステマティックな検査を継続、3名以上が陽性になれば、学級を閉鎖する。
6 5歳~11歳の子供に対するワクチン
・12月15日以降、肥満、糖尿病、心臓病、呼吸器疾患等のリスクのある子供約35万人に対するワクチン接種を開始する。
・また、保健当局からの許可が出次第、可能であれば年末までに、それ以外の約600万人の子供に対するワクチン接種も開始する。許可が出され次第接種を開始できるよう、既にロジスティックスの準備を進めている。12月20日から各センターで、12月27日からは各病院や薬局等で実施できる可能性がある。
・子供に対するワクチンは義務ではなく、あくまで両親たちが自主的に接種させるものである。
7 テレワーク
・実施可能な企業は週に2~3日を目標にテレワークを実施するよう推奨する。
・公務員は週に3日までテレワークを可能とする。
・1週間後に実施状況を確認し、推奨では不十分だと判断すれば、義務に移行する。
8 宴会やイベント
・クリスマスや年末を祝うことができるよう、それまではプライベートでも職場でも、最も感染率が高いとされる宴会を制限するよう呼びかける。
・また、新年祝賀会を含め、職場における宴会に関する明確なルールが設定される。
・開催自体を禁止するものではないが、飲食をしない形での実施を呼びかける。
・クリスマス・マーケットやリヨン光の祭典等の屋外の大規模なイベントでも、飲食をする区域を制限し、同区域における衛生パスの確認を厳格化する。
・ディスコは、今週金曜日から4週間閉鎖する。
・こうした措置の影響を受ける、ディスコ、イベント会社、ケータリング業者等の支援も継続する。明日(7日)にも条件についての協議が開始される。
9 スキー場
スキー場に関しては段階的なプロトコールを計画しており、様々な仮説を立てているが、現時点では、(スキー場を閉鎖せずに)このプロトコールで対応できると考えている。
10 結語
・この数か月、人々の気が緩み、感染防止措置が厳格に適用されていないため、屋内や混み合う屋外でのマスクの着用や、1時間に10分程度の換気等の措置を心がけるよう呼びかける。
・この新たな波を乗り越えるための手段はあるため、リスクのある行為は中止し、ワクチン接種をし、慎重に行動し、連帯を示すことは我々の責任である。これらの現状に見合った措置を実施することで、これまでのように、この波を乗り越えられると考える。
12月6日、フランスにおける新型コロナウイルス感染症に関し、カステックス首相及びヴェラン連帯・保健大臣及が国民に向けてテレビで記者会見を行いましたので、概要をお知らせします。
1 感染状況
・仏全土のあらゆる国民に感染が拡大している。1日の感染者数が約5万人となり、10万人中400人以上が感染するなど、第三波のピーク時よりも感染者数が多くなっている。特に、ワクチン接種率が低い場所での感染率が高い。
・病院は、新型コロナが始まった約2年前よりも設備が強化されているものの、圧迫されている。現在の重篤者数は2200人であり、10分に1人が重症化している。また、現在の入院患者数は1万2000人以上であり、1分に1人入院している。
・しかし、感染者数は多いものの、1年前と異なるのは、既に5200万人がワクチンを接種していることであり、これがなければ、第一波のように病院が逼迫し、他の欧州諸国のように外出禁止令を出さなければならなかっただろう。そのため、恐怖に陥ることなく、警戒心と明晰さが必要である。
・パスツール研究所によれば、今よりも感染率を10%低下させることができれば、病院の逼迫は避けることができる。
2 オミクロン株
・現在、仏国内では25人の感染が判明しており、そのうち21人は、特に南部アフリカ諸国から戻った者であり、残りの4人は市中感染した者である。感染拡大を防ぐべく、感染ルートの追跡を続けている。
・オミクロン株は、デルタ株よりも感染力が強い、あるいははるかに強いとされている。南アフリカや英国では3~5日で感染が2倍になったと言われている。
・しかし、デルタ株よりも危険であるというデータはない。
・また、既存のワクチンが効果を発揮するかは判明していないが、現在のワクチン戦略を変えることはない。
・欧州疾病予防管理センターによれば、今後数か月で欧州における感染者の大部分がオミクロン株の感染者になると言われている。
3 ブースター接種
・ワクチンはリスクを低下させ、重症化から人を守るものの、時間と共にその効果は低下していくため、感染や拡大を防ぐことができない。特に高齢者等のリスクある者にとっては、接種後5~6か月で重症化のリスクが高まるため、ブースター接種が重要である。既に1000万人がブースターを接種している。
・2週間で追加的に200のワクチンセンターを新たに開設したため、現在は1300のセンターが存在し、既存のセンターでも接種場所を増加させたため、1月上旬までに追加で1500万人以上がブースターを接種することになる。
・65歳以上の者は、いかなるセンターにおいても予約なしで接種できることになる。また、列に並ばないためのコールセンターも設置する。
4 一回目のワクチン接種
・接種対象の国民の90%近くがワクチンを接種しているものの、いまだに一回目のワクチンを接種していない者たちがおり、重篤者の多くがワクチン未接種者である。
・一回目のワクチンを接種する者も、あらゆるセンターで予約なしで接種できる。
5 学校
・ワクチン未接種であり、頻繁に検査を受けているため当然であるが、12歳未満の子供の感染が増加している。
・そのため、初等教育の衛生プロトコールをレベル3に引き上げる。
・初等教育では、今週木曜日(9日)以降休暇までの間はレクリエーションでもマスクの着用を義務化し、接触型のスポーツの実施は制限される。来週月曜日(13日)以降は、食事をとる環境も整備される。
・学級で1名陽性者が出れば残りの生徒のシステマティックな検査を継続、3名以上が陽性になれば、学級を閉鎖する。
6 5歳~11歳の子供に対するワクチン
・12月15日以降、肥満、糖尿病、心臓病、呼吸器疾患等のリスクのある子供約35万人に対するワクチン接種を開始する。
・また、保健当局からの許可が出次第、可能であれば年末までに、それ以外の約600万人の子供に対するワクチン接種も開始する。許可が出され次第接種を開始できるよう、既にロジスティックスの準備を進めている。12月20日から各センターで、12月27日からは各病院や薬局等で実施できる可能性がある。
・子供に対するワクチンは義務ではなく、あくまで両親たちが自主的に接種させるものである。
7 テレワーク
・実施可能な企業は週に2~3日を目標にテレワークを実施するよう推奨する。
・公務員は週に3日までテレワークを可能とする。
・1週間後に実施状況を確認し、推奨では不十分だと判断すれば、義務に移行する。
8 宴会やイベント
・クリスマスや年末を祝うことができるよう、それまではプライベートでも職場でも、最も感染率が高いとされる宴会を制限するよう呼びかける。
・また、新年祝賀会を含め、職場における宴会に関する明確なルールが設定される。
・開催自体を禁止するものではないが、飲食をしない形での実施を呼びかける。
・クリスマス・マーケットやリヨン光の祭典等の屋外の大規模なイベントでも、飲食をする区域を制限し、同区域における衛生パスの確認を厳格化する。
・ディスコは、今週金曜日から4週間閉鎖する。
・こうした措置の影響を受ける、ディスコ、イベント会社、ケータリング業者等の支援も継続する。明日(7日)にも条件についての協議が開始される。
9 スキー場
スキー場に関しては段階的なプロトコールを計画しており、様々な仮説を立てているが、現時点では、(スキー場を閉鎖せずに)このプロトコールで対応できると考えている。
10 結語
・この数か月、人々の気が緩み、感染防止措置が厳格に適用されていないため、屋内や混み合う屋外でのマスクの着用や、1時間に10分程度の換気等の措置を心がけるよう呼びかける。
・この新たな波を乗り越えるための手段はあるため、リスクのある行為は中止し、ワクチン接種をし、慎重に行動し、連帯を示すことは我々の責任である。これらの現状に見合った措置を実施することで、これまでのように、この波を乗り越えられると考える。