鈴木大使 着任挨拶

令和7年12月24日
鈴木大使
この度駐フランス大使として着任しました鈴木秀生です。どうぞよろしくお願いいたします。

クリスマスを控えた寒い12月22日、妻と共にシャルル・ドゴール空港に降り立ち、私にとっては4度目、妻にとっては2度目のフランス生活が始まりました。この永きにわたるご縁を通じ、在留邦人他関係者の皆様、フランスの皆様から頂いた数々のご恩に対する心よりの感謝をもって今回の新たな任務を開始したいと思います。

遡って今から約55年前の1971年4月、小学校3年生になったばかりの私は両親、妹と共にパリに移り住みました。フランス語の一言もしゃべらない小さな男の子にとって決して生易しい生活ではありませんでした。しかし同時に、苦しい時でも手を差し伸べてくれる人が必ずどこかにいるのだ、ということ、そして自分が強くなれば相手もリスペクトするものだ、ということも学びました。そんな時、天皇陛下(昭和天皇)がパリをご訪問され、私は他の日本人の子供たちと一緒にオルリー空港で日の丸を手にお迎えしました。日本という国、その歴史と伝統を強く意識する瞬間でした。日本を強く尊敬される国にしたい、そのため外交官になろう、そういう気持ちが芽生えつつありました。

日仏関係は私にとって原点です。この日仏関係発展のため大使という立場で貢献できることは大きな喜びであり、この上もない名誉です。

申し上げるまでもなく、日仏関係はこれまでの日仏両国の多くの先人たちの弛まぬ努力の積み上げがあって築かれ今日に至るものです。文化芸術、経済、政治、社会等各分野での先輩方のご活躍に心より敬意を表し、深く感謝したいと思います。私はその後継者の一人として皆様と手を携え、その務めをしっかり果たしてまいります。

フランスに来るたび、フランスにとって日本がどんどん身近になっている感じがします。

実際、フランスには830を超える日本企業の拠点が存在し、累計10万人を超える雇用を創出するなど、フランスにとって日本は安定した対仏投資国、雇用創出国となっています。また、フランスにおけるポップカルチャーを含む日本文化への関心や人気も特筆すべきものがあります。これは、180を超える日仏友好団体が官民連携して、フランス各地で日本の文化普及や日仏文化交流に取り組んでいただいた成果であると考えています。2027年にはパリ日本文化会館が開館30周年を迎える予定であり、日本文化への注目が一層高まることが期待されるところです。

大使館として、こうした日本の方々の活躍をしっかりと支えていきたいと考えています。そのためにも、在留邦人の皆様、日系企業の皆様が、安心して生活できるよう、大使館としても領事サービスの更なる向上に努力していく所存です。

国際情勢が厳しさを増す中において、日本とフランスは価値と原則を共有する「特別なパートナーシップ」の下、緊密な協力関係の裾野を広げ、深め続けてきました。「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた政治・安全保障面での協力も進展しています。2026年にフランス議長国の下で開催されるG7エビアン・サミットは、日仏を軸にG7の連携を確認する重要な機会となるでしょう。さらに2028年には日仏外交関係樹立170周年の節目を迎えます。このようなタイミングでフランスに大使として着任したことに大きなやり甲斐と責任を感じています。

駐フランス日本国大使として、日仏双方の関係者と率直な対話を通じて信頼関係の構築を進め、多方面において、日仏関係の更なる発展を目指す所存です。大使館一丸となって努力して参りますので、皆様の御支援、御理解、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

(了)