改めて、公邸料理人とは(2)
令和3年10月7日


フランスにおいては、未だ新型コロナウイルス感染症は収束しておりませんが、ワクチン接種が進んだこともあり、衛生パスポートを提示すれば、レストランやビストロでの飲食が可能となりました。引き続き、換気や手の消毒など、十分な感染対策を講じることは重要ですが、少しずつ、人々にも笑顔が戻り、パリの街並みにも活気が出てきたように思います。
今回は、私の考える公邸料理人の役割について、もう少し掘り下げてみたいと思います。公邸料理人という職業は世間的にはあまり知られていませんが、簡単に言うと、レストランを一人で経営しているようなイメージです。仕入れや仕込みから調理はもちろん、会計、厨房管理、パソコンを使ったバックオフィスの仕事まで、その多様な仕事をほとんど一人でこなさなければなりません。
一見レストランのオーナーシェフのようですが、その優先事項には大きな違いがあります。公邸料理人にとって、最も重要なのは、料理やサービスを通していかに「外交」に貢献するかということです。日本とは異なる環境で、与えられた条件の下、円滑に仕事を進めていくことは容易ではありません。時には自分のスタイルとは異なる料理を求められることもありますが、どうすれば日本側とゲストとの「外交」の場を最大限に演出できるかを常に念頭に置き、柔軟に対応することが必要です。
公邸料理人は、通常、ホテルやレストランで十分な経験を積んだ後、世界各国の在外公館に派遣されることがほとんどですが、私は専門学校を出て、すぐに公邸料理人になりました。このようなケースは極めて稀ですが、任地の様々な慣習や文化、その時々の情勢を踏まえ、その公館ならではの「おもてなし」を作り上げるのは、非常にやりがいのある仕事だと感じています。最初は思い描いていた仕事とのギャップに戸惑うこともあるかもしれませんが、料理人を目指す方々の選択肢の一つに加わると嬉しいです。
以下の外務省HPにおいても、世界各国の公邸料理人の活躍の紹介や募集要項のリンクなども掲載しておりますので、ご関心のある方はぜひご覧ください。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/zaigai/ryourinin.html
最後に、私の創作した“侘び寂びデザート”の中から、「和風ティラミス~日本庭園風の苔テラリウム~」をご紹介します。
今回は、私の考える公邸料理人の役割について、もう少し掘り下げてみたいと思います。公邸料理人という職業は世間的にはあまり知られていませんが、簡単に言うと、レストランを一人で経営しているようなイメージです。仕入れや仕込みから調理はもちろん、会計、厨房管理、パソコンを使ったバックオフィスの仕事まで、その多様な仕事をほとんど一人でこなさなければなりません。
一見レストランのオーナーシェフのようですが、その優先事項には大きな違いがあります。公邸料理人にとって、最も重要なのは、料理やサービスを通していかに「外交」に貢献するかということです。日本とは異なる環境で、与えられた条件の下、円滑に仕事を進めていくことは容易ではありません。時には自分のスタイルとは異なる料理を求められることもありますが、どうすれば日本側とゲストとの「外交」の場を最大限に演出できるかを常に念頭に置き、柔軟に対応することが必要です。
公邸料理人は、通常、ホテルやレストランで十分な経験を積んだ後、世界各国の在外公館に派遣されることがほとんどですが、私は専門学校を出て、すぐに公邸料理人になりました。このようなケースは極めて稀ですが、任地の様々な慣習や文化、その時々の情勢を踏まえ、その公館ならではの「おもてなし」を作り上げるのは、非常にやりがいのある仕事だと感じています。最初は思い描いていた仕事とのギャップに戸惑うこともあるかもしれませんが、料理人を目指す方々の選択肢の一つに加わると嬉しいです。
以下の外務省HPにおいても、世界各国の公邸料理人の活躍の紹介や募集要項のリンクなども掲載しておりますので、ご関心のある方はぜひご覧ください。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/zaigai/ryourinin.html
最後に、私の創作した“侘び寂びデザート”の中から、「和風ティラミス~日本庭園風の苔テラリウム~」をご紹介します。
ここ数年、フランスでも流行しているインテリアのテラリウム(苔テラリウム)風に仕立てた和風ティラミスです。日本庭園の一部をグラスですくい上げたような外観ですが、味わいは見た目より軽くて爽やかです。石、砂利、土に見えるものも含めて、グラスの中のものは、もちろんすべて食べられます。
“侘び寂びデザート”のコンセプトは、“侘び寂び”という日本ならではの美意識に、ゲストの趣向やその国の文化、季節や旬のものを組み合わせ、独自の世界観を創り上げることにあります。毎回、「“テーマ”ד文化”」を軸に、様々なパーツやアプローチ、盛り付けを変えて提供し、ゲストからも好評を頂いています。
今後も、公邸料理人の活動などについて発信していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
“侘び寂びデザート”のコンセプトは、“侘び寂び”という日本ならではの美意識に、ゲストの趣向やその国の文化、季節や旬のものを組み合わせ、独自の世界観を創り上げることにあります。毎回、「“テーマ”ד文化”」を軸に、様々なパーツやアプローチ、盛り付けを変えて提供し、ゲストからも好評を頂いています。
今後も、公邸料理人の活動などについて発信していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。